親から相続した空き家について、固定資産税や売却時にかかる税金がどれくらいになるのか、不安に感じている方は少なくありません。
この記事では、空き家を相続してから保有し続ける間にかかる税金と、売却するときにかかる税金の両方を解説します。
それぞれの税金について詳しい条件や手続きを知りたい方向けに、関連記事もあわせてご案内します。

ここでは、相続した空き家にどのような税金がいつ発生するかを解説します。
相続税は、遺産総額が基礎控除額を超えた場合にのみ課税されます。
基礎控除額は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」という計算式で求められます。
例えば、法定相続人が配偶者と子2人の合計3人の場合、基礎控除額は4,800万円です。
空き家の評価額に加えて、預貯金や有価証券なども合算した遺産総額がこの金額以下であれば、相続税はかからず申告も不要です。
一方で、遺産総額が基礎控除額を超えると、超えた部分に対して相続税が課税されます。
相続税の申告と納税には期限があり、相続の開始を知った日の翌日から10か月以内に行う必要があります。
なお、実際の税額計算や小規模宅地等の特例といった細かな適用要件は、税理士の専門領域になる場合が多いため、正確な金額を知りたい方は税理士への相談をおすすめします。
空き家を相続したあと、毎年関わってくるのが固定資産税と都市計画税です。
固定資産税は、毎年1月1日時点の所有者に対して、土地や家屋の評価額をもとに課税されます。
住宅が建っている土地には住宅用地の特例があり、200平方メートル以下の部分は課税標準額が価格の6分の1に、それを超える部分は3分の1に軽減されます。
都市計画税がかかる地域では、同様の特例により小規模住宅用地は3分の1、それを超える部分は3分の2に軽減されます。
以下に保有中にかかる税金をまとめましたのでご覧ください。
| 税目 | 課税時期・条件 |
|---|---|
| 固定資産税 | 毎年1月1日時点の所有者に課税。住宅用地の特例により軽減 |
| 都市計画税 | 都市計画区域内の土地・家屋が対象。固定資産税とあわせて納付 |
| 相続税 | 相続開始時に一度だけ課税。基礎控除額を超えた場合のみ発生 |
1月1日が基準になるのは、地方税法で賦課期日が定められているからです。
そのため、年の途中で空き家を売却しても、その年の固定資産税はいったん元の所有者が納める形になります。
空き家を放置していると、自治体から特定空家や管理不全空家に指定される可能性があります。
指定を受けて勧告の段階まで進むと、先ほどの住宅用地の特例が適用されなくなり、固定資産税と都市計画税をあわせた負担が大きく増えるのです。
具体的な増税の倍率や勧告に至るまでの流れ、行政代執行の可能性については、当社の別記事「空き家を解体すると固定資産税は上がる?費用の比較と対策」で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。

空き家を売却した際の税金についても、理解しておくことが大切です。
空き家を売却すると、その利益に対して譲渡所得税がかかる場合があります。
譲渡所得税は、売却価格から取得費と譲渡費用を差し引いた譲渡所得に対して課税されますが、税率は所有期間によって大きく変わります。
売却した年の1月1日時点で所有期間が5年を超えているかによって、長期譲渡所得(税率20.315パーセント)と短期譲渡所得(税率39.63パーセント)のいずれかに区分されるのです。
同じ利益額でも、所有期間が5年を超えているかだけで税額が2倍近く変わるため、売却時期を検討する際は所有期間の起算日を確認しておくことが欠かせません。
なお、相続した空き家の場合は、亡くなった方が取得した日から所有期間を通算できる点も押さえておきましょう。
建物については、購入代金から減価償却費相当額を差し引いた金額が取得費になります。
譲渡費用とは、売却のために直接かかった費用のことで、仲介手数料や測量費、建物を取り壊して土地を売る場合の解体費用などが含まれます。
相続した空き家のように取得費が分からない場合は、売却価格の5パーセント相当額を取得費として計算することも認められています。
例えば、土地建物を3,000万円で売った場合に取得費が不明なときは、売った金額の5パーセント相当額である150万円を取得費とできるのです。
相続した空き家を売却する際、一定の要件を満たせば譲渡所得から最高3,000万円を控除できる特例があります。
被相続人が一人で暮らしていた昭和56年5月31日以前の建物であることや、相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却することなど、細かな条件が定められているのです。
なお、令和6年1月1日以降の譲渡については、家屋や敷地を取得した相続人が3人以上いる場合、1人あたりの控除上限は2,000万円に引き下げられる点に注意が必要です。
要件や必要書類、注意点について詳しくは、当社の別記事「空き家特例とは?適用するための条件と4つの注意点」をご覧ください。
空き家を売却するとき、建物を解体して更地で売るか、建物を残したまま売るかで、税負担が変わります。以下に解体の有無による違いをまとめました。
| 売却方法 | 譲渡所得税の考え方 |
|---|---|
| 更地で売却 | 建物の取得費を計上できず、譲渡所得が大きくなりやすい ※3,000万円特別控除を適用できれば負担は抑えられます |
| 建物付きで売却 | 建物の取得費(減価償却後)を差し引ける分、譲渡所得は小さくなりやすい |
注意点として、建物付きのままでは買い手が見つかりにくく、売却価格自体が下がる場合があることです。

ここでは、保有と売却の税負担の違いや、複数の税金を横断した対策の優先順位について解説します。
空き家を保有し続けた場合と、売却した場合とでは、数年単位で見たときの税負担に差が出てきます。
以下に、保有を続けた場合と売却した場合の税負担の傾向をまとめましたのでご覧ください。
| 選択肢 | 税負担の傾向 |
|---|---|
| 保有を続ける | 固定資産税・都市計画税が毎年継続※特定空家指定で負担が増える可能性あり |
| 売却する | 譲渡所得税が一度だけ発生※控除適用で負担が抑えられる場合あり |
保有年数が長くなるほど、毎年の固定資産税・都市計画税の累計額は積み上がっていきます。
そのため、将来的に売却する意思があるなら、早めに動くことで累計の税負担を抑えられる場合が多いでしょう。
優先順位としては、放置による増税につながりやすい、固定資産税・都市計画税への対応が第一歩になります。
特定空家に指定される前に管理や活用の方針を決めておけば、住宅用地の特例が外れる事態を避けやすくなるからです。
次に検討したいのが、売却時の譲渡所得税と、それを軽減できる3,000万円特別控除の活用です。
控除には期限や建物の要件があるため、保有方針を決めた段階で早めに条件を確認しておくとよいでしょう。
相続税については、相続が発生した時点で金額が確定しているため、事後の対策には限りがあります。
ただし、次の相続(二次相続)を見据えるのであれば、空き家をどう処分するかが将来の相続財産や税負担にも影響してきます。
税金の負担を抑える方法として、税制優遇だけでなく、自治体の解体補助金をあわせて活用する考え方もあります。
解体費用の一部を補助金でまかなえれば、更地化にかかる初期費用を抑えつつ、その後の土地活用や売却を進めやすくなるでしょう。
また、解体して更地にすることで、特定空家に指定される可能性も取り除けます。
補助金の対象条件や金額は自治体によって異なるため、知立市・西三河エリアで利用できる制度については、事前に自治体窓口や当社への相談で確認しておくと安心です。
解体補助金の詳細は、「【2026年最新版】愛知県の空き家解体補助金を徹底解説! 」で解説しています。

ここまで解説してきた税金の負担を実際に軽くしていくには、早めに相談先を見つけることが大切です。
ここでは、藤原建設に相談することでどのようなメリットがあるのか、税理士との役割分担も含めてご案内します。
空き家の税金対策を考えるとき、解体と売却をどこに依頼するかも重要なポイントです。
藤原建設で解体工事を行い、続けて不動産売却も依頼した場合、不動産売却の仲介手数料が半額になります。
解体と売却を別々の業者に依頼すると、その都度打ち合わせや調整の手間がかかりますが、一社にまとめることで窓口が一本化され、手続きがスムーズに進みます。
また、中間マージンが発生しないため、余計なコストを抑えられる点もメリットといえるでしょう。
相続税の申告や、3,000万円特別控除の確定申告といった税務手続きそのものは、税理士や税務署に相談すべき領域です。
当社が対応できるのは、解体工事の実施や不動産売却の仲介、控除の要件に関わる解体・売却タイミングの調整といった、不動産と工事に関する部分になります。
税額の計算や申告書の作成が必要な場面では、税理士への相談を並行して進めていただくとよいでしょう。
解体するべきか、売却するべきか、まだ判断がつかない段階でも、遠慮なくご相談いただいて構いません。
どこに相談すればいいか分からない方こそ、現状を整理するところから始めてみましょう。
知立市・西三河エリアで60年以上にわたり地域の解体・不動産をサポートしてきた実績をもとに、次なるステップを一緒に考えます。
空き家の解体や売却について迷っている方は、ぜひ一度お問い合わせください。