相続した実家や転勤で空けている家は、人が住まなくなると傷みが早く進み、住んでいなくても管理の責任は所有者にあります。
最低限の管理は、換気、通水、郵便物の整理、草木と外回りの点検で、月1回が目安です。
通えない場合は管理業者に頼む方法があり、続けるのがつらくなれば他の方法を検討することもできます。
この記事では、知立市の空き家を自分で管理する方法、管理業者に頼む場合の費用、管理をやめる時期の目安と収支などを解説します。

ここでは、管理を怠ると誰が責任を負い、何が起きるのかを解説します。
空き家の管理は、住んでいなくても所有者(相続した場合は相続人)が責任を持つのが原則です。
空家等対策の推進に関する特別措置法(空家法)の第5条でも、周辺の生活環境に悪影響を及ぼさないよう適切に管理することが、所有者等の責務と定められています。
建物の欠陥で他人に損害を与えたときは、民法717条(土地の工作物責任)により、占有者(その家を実際に管理している人)が賠償責任を負います。
占有者が必要な注意を尽くしていたときは、所有者が賠償する決まりです。
一方、相続放棄をしても、放棄したときにその家を現に占有していた人には、次の人へ引き渡すまで保存の義務が残ります(2023年4月施行の改正民法940条)。
手続きと管理の関係は『空き家を相続したらどうする?相続放棄の注意点と処分の進め方』にまとめています。
雑草が伸びると隣家の敷地に越境したり、庭木の枝が隣の屋根や電線にかかったりします。
また、害虫や野良猫が棲みつきやすくなり、近隣への実害が発生することもあるでしょう。
放置で広がる被害の全体像は『空き家問題の原因と対処~知立市・西三河エリアでの解決方法』で紹介しています。
放置が続くと、市から管理不全空家(放置すると特定空家になりかねない空き家)として指導を受けることがあります。
指導をしても改善されなければ勧告に進み、その翌年の1月1日時点から、住宅用地の特例(土地の固定資産税が軽くなる仕組み)の対象外になります。
国の管理指針に例示されているのは、定期的な換気、通水、庭木の伐採などです。
月1回の換気や通水、草木の手入れは、近隣への配慮に加えて、税負担が増える段階へ進ませない備えにもなります。
特例が外れる条件と税額の変化は『空き家を解体すると固定資産税は上がる?費用の比較と対策』をご覧ください。

ここでは、空き家を自分で管理する方法や頻度を解説します。
自分でする管理は、外回りの確認、換気、通水、郵便物の整理が基本です。
国の管理指針は、空き家は不具合が見つかりにくく傷みが早く進むため、一定の頻度で点検するよう求めています。
回数までは示されていませんが、民間の巡回サービスも月1回が多く、自分で通う場合にも目安にしやすい間隔です。
以下に、作業ごとの頻度とやり方の要点をまとめましたのでご覧ください。
| 作業 | 頻度の目安 | やり方の要点 |
|---|---|---|
| 外回りの確認 | 訪問のたび | 外壁のひび割れ、屋根材のズレ、塀の傾き、ごみの投棄を目視し、写真で記録する |
| 換気 | 月1回 | 全室の窓を開けて空気を入れ替える。押入れや収納も開け、カビの発生を抑える |
| 通水 | 月1回 | キッチン、洗面、トイレ、浴室の蛇口を数分流し、排水トラップの水(封水)を保つ |
| 郵便物の整理 | 月1回 | ポストの投函物を回収し、空き家だと分かりにくい状態にする |
| 草刈り | 年2〜3回 | 春から秋に、隣地へ越境する前に刈る |
| 庭木の剪定 | 年1回 | 枝が隣の屋根や電線にかかる前に切る |
表のうち草刈りと剪定だけは年単位の作業です。
訪問時は、外回りの確認から始めて室内の換気と通水に進み、点検の記録と戸締りで終えると漏れが少なくなります。
最初に敷地の外から、外壁のひび割れ、屋根材のズレ、塀の傾き、ごみの投棄がないかを見て回り、気になる箇所は写真で記録します。
次は室内で、窓を開けて全室を換気しながら、蛇口を順に流して通水する作業です。
その間に雨漏りの跡やカビがないかを確かめ、ポストの郵便物も回収しましょう。
最後に窓と玄関の施錠を確かめ、雨戸やカーテンの状態も整えて終えます。
持ち物は、鍵、写真記録用のスマートフォン、軍手、ごみ袋、雑巾、懐中電灯があると作業しやすくなります。
梅雨から夏は湿気がこもりやすいので換気を念入りにし、台風の前後には屋根や塀の状態を点検しましょう。

ここでは、遠方で通えないときの対応法と相談先を解説します。
管理業者に頼むときは、月1回の訪問で点検から報告までを任せる巡回プランなどがおすすめです。
プランは外観の目視が中心のものと、室内の換気や通水まで含むものがあり、月額は前者に2,750円や4,280円(税込)、後者に6,600円から1万円前後(税込)の例があります。
以下に、代表的なサービス項目をまとめましたのでご覧ください。
| サービス項目 | 頻度 | 内容・備考 |
|---|---|---|
| 換気・通風 | 月1回 | 全室の窓を開放し、湿気とカビの発生を抑える |
| 通水確認 | 月1回 | キッチン、洗面、トイレ、浴室の蛇口を流し、排水トラップの水を保つ |
| 簡易清掃 | 月1回 | 室内と玄関まわりのほこりや汚れを除去する |
| 郵便物の回収 | 月1回 | ポストにたまった郵便物を回収・転送し、空き家だと悟られにくくする |
| 施錠確認 | 月1回 | 玄関、窓、勝手口の施錠を確認し、不審な痕跡がないか見る |
| 劣化状況の記録 | 月1回 | 外壁、屋根、室内の状態を写真に撮り、変化を記録する |
| 報告書の送付 | 月1回 | 訪問後に写真つきの報告書をメールで送付。遠方でも状態を把握できる |
| 草刈り・害虫駆除 | オプション | 別途費用がかかる場合が多い。必要な作業を事前に確認する |
表のうち草刈りと害虫駆除だけがオプションなので、契約前に必要な作業を書き出し、プランの範囲を確かめておくと追加費用を抑えられます。
依頼先には、警備会社、不動産会社、管理の専門会社などがあり、作業の範囲や緊急時の対応が異なります。
そのため、契約書や見積書で次の5つを確認しておくと、後悔を防げます。
なお、空き家になると火災保険の補償条件が変わることがあるので、加入中の保険が空き家でも使えるか、保険会社に確認しましょう。
空き家の保険の種類と選び方は『空き家の火災保険はどうする?無保険状態の問題と注意点』にまとめています。
管理に困ったときの最初の相談先は、知立市役所建築課の空家総合窓口です。
市は愛知県宅地建物取引業協会と協定を結び、賃貸や売買、管理について相談できる空き家総合相談窓口も設けています。
毎月第2火曜日の午後(8月と1月は第3火曜日)には予約制の不動産・空家無料相談所も開かれています。

ここでは、年間の維持費、管理をやめる時期の目安、売るまでの間に優先して直す箇所の3点を解説します。
自主管理は費用が安く済むように見えますが、年間の維持費を数字で把握している方は多くありません。
片道2時間の距離に空き家がある場合、月1回の訪問は往復4時間で、年間48時間を移動に費やす計算です。
交通費が往復5,000円なら年間6万円で、これに固定資産税と都市計画税、草刈りなどの外注費、火災保険料、水道と電気の基本料金が加わります。
固定資産税の記事の試算(土地の評価額1,200万円、建物300万円)では、土地と建物の税の合計が年間約9万1,000円です。
ここに外注費を3万円と仮定して加えると、交通費を含めて約18万円になります。
保険料と基本料金が加わると、年間20〜30万円程度になることもあるでしょう。
訪問の合間も続く不安を含め、続けるかは、お金だけでなく時間、体力、気持ちの負担もあわせて判断することが大切です。
管理をやめて次の方法を考える時期は、通える頻度が落ちたとき、建物の劣化が進んだとき、相続人どうしの方針が決まったときです。
訪問の間隔が2か月に1回、3か月に1回と空いていくなら、不具合が見つかりにくい期間が長くなっている状態です。
屋根や外壁の補修が必要になり、修繕費が重なってきたときも、続けるか見直すきっかけになります。
共有名義の場合は、解体や売却に原則として共有者全員の同意が必要なので、全員の方針がそろった時点が動き出す目安です。
使う予定があるなら、貸すなどの活用を考えるとよいでしょう。
活用の費用は『知立市で空き家を活用する6つのプランと費用の目安』で紹介しています。
使う予定がないなら、売却や解体を検討するとよいでしょう。
売却方法の比べ方は『空き家売却の3つの方法と選び方~知立市・西三河エリアで失敗しないために』で解説しています。
売る時期を待つ間は、最低限の管理を続けながら、放置すると致命的な傷みにつながる箇所を優先して直します。
雨漏りと外壁や屋根の破損は、傷みが広がるので、最初に直す対象です。
全体をきれいにしようとすると費用がかさむため、売却の価格に影響する部分に絞ると、費用に見合う効果を得やすくなります。
土地の境界は、売却直前のトラブルを避けるために、土地家屋調査士による測量で確定しておくと安心です。
売却の進め方は『土地売却の流れと手順~知立市・三河エリアで失敗しないための基礎知識』にまとめています。

ここでは、管理を続ける選択と、解体して売却する選択の収支の比べ方、そして藤原建設で相談できることを解説します。
解体にはお金がかかるというイメージがありますが、維持費を数年単位で並べると、見え方が変わることがあります。
年間20〜30万円の維持費は、5年で100〜150万円です。
知立市で木造住宅(30坪)を解体する費用は、本体工事費と付帯工事費を含めて105〜150万円が目安です。
つまり、5年分の維持費は、解体費用とほぼ同じ水準になります。
以下に、5年間の目安を仮定の例で比べましたのでご覧ください。
| 項目 | 管理を続ける場合(5年) | 解体して売却する場合 |
|---|---|---|
| 維持費(税、交通費、管理費) | 年20〜30万円×5年=100〜150万円 | 売却後はかからない |
| 解体費用 | かからない | 105〜150万円(木造30坪、本体工事費と付帯工事費を含む) |
| 売却までの土地の税 | 特例が適用され、上の維持費に含む | 評価額1,200万円・200㎡の例で年約20万円(特例なし) |
| 土地の売却代金 | 売却するまで入らない | 立地と面積で変わる(無料査定で確認) |
更地にすると住宅用地の特例が外れて土地の税が上がるため、売却までの期間が長いほど負担は増えます。
知立市には、条件を満たす危険空家の解体に上限20万円を補助する、知立市危険空家解体促進費補助金もあります。
藤原建設では個別の状況に合わせた収支の試算を案内していますので、判断に迷う段階でもご相談ください。
解体費用の相場と見積もりで確認したい点は『知立市の解体費用相場は?不動産売買セット割で損をしない秘訣』で紹介しています。
管理がつらくなったときは、建物の状態の確認、解体費用の見積もり、補助金の相談、解体後の売却までを藤原建設にご相談ください。
不動産の仲介と買取、無料査定は、グループ会社の株式会社ティオが担当し、解体から売却まで窓口を一本化できます。
創業1959年から知立市を拠点に、西三河エリアを中心に活動しており、東海三県(愛知、岐阜、三重)の物件も相談を受けています。
処分の進め方の全体像は『知立市での空き家処分をスムーズに進めるための解体工事と土地売却』をご覧ください。
管理の責任は住んでいなくても所有者と相続人にあり、月1回の換気、通水、郵便物の整理、外回りの点検が自分でできる管理の基本です。
通えないときは月額6,600円から1万円前後(税込)の例がある巡回プランを頼む方法があり、知立市の窓口にも相談できます。
自主管理は年間20〜30万円程度かかることもあり、通えなくなったときや劣化が進んだときが、続けるか見直す時期の目安です。
5年分の維持費が木造30坪の解体費用と同じ水準になることもあるため、解体と売却を含めて比べると判断しやすくなります。
どこに相談すればいいか分からない方こそ、知立市と西三河エリアで解体から売却まで一本化できる藤原建設へご相談ください。
解体工事とあわせて不動産売却(仲介)をご依頼いただくと、仲介手数料が半額になります。
まだ迷っている段階でも、お気軽にお問い合わせください。