土地を売ろうと決めたものの、何から動けばいいのか分からないと迷うことがあります。
もし建物が残っていれば解体を検討する必要があり、相続した土地なら名義の整理も先に済ませなければなりません。
また手続きは複数の段階に分かれており、それぞれで所要期間も費用も異なります。
そこでこの記事では、知立市・三河エリアで土地売却を検討している方に向けて、売却の全体的な流れと各段階の手続きを解説します。

土地の売却手続きは、土地の状態によって進め方が変わります。
ここでは、売却を始める前に確認しておくべき状況と法的な前提条件を解説します。
売却をスムーズに進めるには、自分の土地の状態を把握することからはじめます。以下に3つの状態と進め方をまとめましたのでご覧ください。
| 土地の状態 | 売却前に必要な準備 | 注意点 |
|---|---|---|
| 建物が残っている | 解体するか建物付きのまま売るかを決める。解体業者と不動産会社の両方に相談して判断します。 | どちらが有利かは建物の状態・買主のニーズによって異なる。感覚ではなく、解体費用と査定額を数字で比較して判断するとよいでしょう。 |
| 更地 | 境界確認・測量の状況を確認する。完了していれば比較的スムーズに売却活動を開始できます。 | 境界が不明確なままでは買主候補に敬遠されやすいので、確認を先に済ませておくと安心です。 |
| 相続した土地 | 相続登記を完了させることが売却の前提条件。司法書士に依頼しながら並行して査定相談を始めます。 | 2024年4月から相続登記が義務化。名義人が被相続人のままでは所有権移転の手続きが進められません。 |
土地の状態が重なっている、例えば相続した土地に建物が残っている場合などは、登記の完了を優先しながら解体・売却の方針を並行して検討するのがよいでしょう。
不動産会社に査定を依頼する前に確認しておきたいことが3つあります。
1つ目は、名義の確認です。
登記簿謄本(登記事項証明書)を取得し、現在の所有者が自分の名義になっているかを確認します。
共有名義の場合は、すべての共有者の同意がなければ売却できません。
2つ目は、境界の状態です。
隣地との境界が明確になっているかを確認します。
境界杭が残っていれば確認しやすいですが、年月の経過で紛失しているケースも少なくありません。
もし境界が不明確なまま売却活動を進めると、買主との交渉中にトラブルの原因となることがあるため注意が必要です。
3つ目は、接道条件です。
建築基準法では、建物を建てるには幅員4メートル以上の道路に2メートル以上接していることが原則として必要です。
この条件を満たさない土地は再建築不可となり、買主が限られます。
売却する前に接道の状態を把握しておくと、価格設定や売却方法の選択に役立てられます。
土地を売るためには法的な前提条件があります。
その中でも、特に売却可否に関わるのが、相続登記の義務化と行政上の制限です。
2024年4月1日から、相続によって取得した不動産は、相続の発生を知った日から原則として3年以内に相続登記をする義務が生じました。
登記が未完了の土地は、売買契約を締結しても所有権移転の手続きが進められないからです。
そのため、親から相続した土地で名義変更をまだ済ませていない場合は、売却の前に対応が必要です。
接道条件と合わせて確認すべきなのが、用途地域です。
用途地域とは、都市計画法によって土地の使い方を制限する区分で、例えば農業振興地域に含まれる農地は売却できない場合があります。
また、市街化調整区域内の土地は、建物の建築が原則として制限されるため、買主が限られます。
これらの制限は、自分では気づきにくいため、不動産会社に査定を依頼する際に、接道・用途制限の状況を一緒に確認してもらうことをおすすめします。

土地の売却は、査定依頼から引渡しまでいくつかの段階を経て進んでいきます。
ここでは、売却全体の流れと所要期間の目安を解説します。
売却の最初のステップは、不動産会社への査定依頼です。依頼時は、相場を把握したうえで、複数の不動産会社に依頼します。
訪問査定(現地確認)の日程調整や査定結果の算出までに、おおよそ1〜2週間ほどかかるでしょう。
その後、査定結果をもとに信頼できる不動産会社が見つかったら、媒介契約を締結します。
媒介契約には、専属専任・専任・一般の3種類があり、不動産会社の報告義務やレインズ(不動産流通機構)への登録義務が異なります。
専任媒介・専属専任媒介は2週間または1週間ごとに売主への活動報告が義務付けられており、売却状況を把握しやすい点がメリットです。
媒介契約締結後、不動産会社はレインズへの登録や広告掲載などの売却活動を開始します。
査定依頼から売却活動開始までの目安は1〜4週間程度です。
売却活動を経て買主候補が現れると、条件交渉の段階に移ります。
売却価格や引渡し時期、諸条件について双方で合意できれば、売買契約(重要事項説明・契約締結)に進みます。
この段階で売主は契約不適合責任を負うことになるため、土地の瑕疵や境界の状態についてあらかじめ正確に伝えておくことが重要です。そして売買契約締結時に、買主から手付金が支払われます。
その後、買主の住宅ローン審査や残代金の準備が整ったタイミングで決済・引渡しを行い、引渡し完了後、仲介を依頼した不動産会社への仲介手数料の支払いが発生します。
引渡し当日は、残代金の受領・所有権移転登記の手続き・鍵の引渡しが同時に行われます。
売買契約から決済・引渡しまでにかかる期間は、おおよそ1〜2か月程度が目安で、売却益が出た場合は翌年の確定申告が必要です。
土地売却にかかる全体の期間は、査定依頼から引渡しまで一般的に3か月〜9か月程度です。
以下に、各ステップの所要期間の目安をまとめます。
| 売却ステップ | 所要期間の目安 | 補足 |
|---|---|---|
| 査定依頼〜媒介契約 | 1〜4週間 | 複数社への依頼・比較を含む |
| 売却活動(買主探し) | 1〜5か月 | 土地の条件・立地によって大きく変動 |
| 売買契約〜決済・引渡し | 1〜2か月 | 買主のローン審査を含む※現金決済なら短縮可 |
| 全体合計 | 3〜9か月程度 | 境界確定測量が必要な場合は別途3か月前後を要する |
売却期間が長引きやすいのは、次のような条件が重なる場合です。

建物が残っている土地を売却する場合、解体してから売るか、建物付きのまま売るかの判断が必要です。
ここでは、解体費用と売却価格の関係を試算する考え方を解説します。
建物が残っている土地は、更地と比べて査定額が下がる傾向があります。
理由は、買主が建物の解体費用を自己負担することを見越して、購入価格から解体費相当額を差し引いて考えるからです。
ただし、建物の状態によって影響の大きさは変わります。
築年数が浅く状態の良い建物であれば、そのまま活用できる可能性があるため、査定額への影響は比較的小さいでしょう。
一方、老朽化が進んでいる建物や、再建築を検討している買主が多い地域では、解体費を含めたコストが査定に反映されます。
また、接道条件が良く需要の高いエリアほど、更地にすることで買主の選択肢が広がります。
知立市・三河エリアは工業系用途も多く、更地にすることで法人需要を取り込みやすくなる場合もあります。
そのため、建物の有無は解体費用だけでなく、買主層の広がりにも影響するのです。
解体を検討する際には、費用の目安を把握しておくことが大切です。
解体費用は建物の構造・延床面積・立地条件によって異なりますが、延床面積30坪の木造住宅であれば、解体費用は90万〜150万円程度が目安です。
ただし、アスベスト含有建材が確認された場合や、重機の搬入が難しい狭小地では、費用が上乗せされることがあります。
解体費用や解体の流れについては「知立市の解体費用相場は?不動産売買セット割で損をしない秘訣」をご覧ください。
解体後に売却価格が上がりやすいのは、幹線道路沿い・駅近・工業系地域などの更地需要が高いエリアです。
解体後に買主層が広がり、建物付きのままより高い価格で成約することがあります。
また、老朽化が激しく、建物の価値がほぼゼロと評価される物件では、建物付きのまま売るよりも、解体して更地にした方が手残りが増えることもあります。
解体するかどうかの判断は、3つの数字を揃えることで考えられます。
これら3つを踏まえたうえでの試算の考え方は以下の通りです。
| 判断に使う数字 | 確認方法 | 損得勘定の目安 |
|---|---|---|
| ① 解体費用の見積もり額 | 解体業者に現地見積もりを依頼する | ②の差額が①の解体費用を上回れば、解体した方が手残りが増える計算になる |
| ② 更地査定額 − 建物付き査定額(差額) | 不動産会社に両パターンで査定依頼する | |
| ③ 年間保有コスト(固定資産税・管理費等) | 固定資産税納税通知書・管理記録から確認する | 差額が解体費用を下回る場合でも、③が積み重なることを考えると早期売却が有利になることがある |
この3つの数字を手元に揃えた状態で不動産会社に相談すると、より具体的なアドバイスを得やすくなります。

土地を売却したとき、売却価格がそのまま手元に残るわけではなく、仲介手数料や税金など、複数の費用が売却代金から差し引かれます。
ここでは、土地売却にかかる費用と税金について解説します。
売主が負担する費用のうち、最も大きいのが仲介手数料です。
仲介手数料は宅地建物取引業法によって上限額が定められており、売買価格が400万円を超える場合は以下の速算式で計算できます。
仲介手数料の上限(税抜)= 売買価格 × 3% + 6万円
例えば売買価格が2,000万円の場合、上限は2,000万円 × 3% + 6万円 = 66万円(税抜・税込72.6万円)となります。
ほとんどの不動産会社はこの上限額を基準に設定しているため、資金計画の目安として把握しておくと安心です。
仲介手数料以外にも、以下のような費用が発生します。
| 費用項目 | 費用の目安 | 発生タイミング |
|---|---|---|
| 仲介手数料 | 売買価格×3%+6万円(税抜) | 契約時・引渡時に分割が一般的 |
| 印紙税 | 1万〜3万円程度※売買価格による | 売買契約書の締結時 |
| 登録免許税(抵当権抹消) | 1筆につき1,000円+司法書士報酬 | 引渡し時 |
| 譲渡所得税 | 売却益に応じて発生 | 翌年の確定申告時 |
なお、2024年7月からは売買価格800万円以下の物件について、仲介手数料の上限が33万円に変更されました。
低価格帯の土地を売却する場合は、この特例が適用されるかどうかを不動産会社に確認しておくことをおすすめします。
土地を売却して利益が出た場合、その利益に対して所得税・住民税が課され、これを譲渡所得税と呼びます。
譲渡所得は以下の計算式で算出します。
譲渡所得 = 売却価格 −(取得費 + 譲渡費用)
取得費とは土地の購入代金や購入時の諸費用のことで、譲渡費用とは仲介手数料・印紙税・解体費用など売却のために直接かかった費用のことです。
なお、国税庁の規定により、解体して土地を売却するための建物取壊し費用も譲渡費用に含められます。
税率は土地の所有期間によって異なります。
具体的には、売却した年の1月1日時点で、所有期間が5年を超える場合は長期譲渡所得(約20.315%)、5年以下の場合は短期譲渡所得(約39.63%)が適用されます。
所有期間が売却の税負担に大きく影響するため、売却のタイミングは慎重に検討するとよいでしょう。
また、相続した空き家の売却には、空き家特例が適用できる場合があります。
要件や手続きの詳細は別記事「空き家特例とは?適用するための条件と4つの注意点」をご覧ください。
土地売却では、仲介手数料や税金以外にも想定外のコストが発生することがあります。
以下に、特に見落としやすい要因をまとめましたのでご覧ください。
| 注意すべき要因 | 費用の目安 | 注意点 |
|---|---|---|
| 境界確定測量費 | 30万〜80万円程度※官有地隣接で高額になりやすい |
|
| 滅失登記費用 | 数万円程度※司法書士・土地家屋調査士への報酬を含む |
|
| 埋設物の撤去費用 | 内容・量によって異なる※事前に把握できないケースが多い |
|
これらのコストは査定段階では見えにくいため、売却前に不動産会社や解体業者へ状況を伝え、想定外の出費がないかを確認しておくとよいでしょう。

土地売却は手続きが多岐にわたるため、適切な相談先を選ぶことが時間とコストの節約につながります。
ここでは、自分の状況に合った相談先の選び方と、動き出すタイミングを解説します。
土地を売却する方法は、仲介と買取の2つに分かれます。
仲介は、不動産会社が買主を探して売買を成立させる方法です。
市場価格に近い価格で売却できる可能性がある一方、買主が見つかるまでに時間がかかる場合があるため、売却を急いでいない方や、できるだけ高い価格を目指したい方に向いています。
一方の買取は、不動産会社が直接土地を購入する方法です。
売却価格は仲介に比べて低くなる傾向がありますが、最短で数週間程度の現金化が可能です。
相続の手続きと並行して早期に処分したい方や、老朽化が著しく買主が見つかりにくい物件に向いています。
空き家の売却について詳しくは「空き家売却の3つの方法と選び方~知立市・三河エリアで失敗しないために」をご覧ください。
土地売却時の相談先は、土地の状態で決定できます。
更地の場合は、不動産会社への査定依頼を行いますが、この時に境界が確定していれば、スムーズに売却活動を開始できます。
建物が残っている場合は、解体業者と不動産会社の両方に相談することをおすすめします。
解体業者と不動産会社を別々に探す手間が気になる方は、両方を一本化して対応できる業者に相談すると窓口がまとまります。
相続した土地の場合は、相続登記の完了が売却の前提条件なので、司法書士に相続登記を依頼しながら、並行して不動産会社への査定相談を始められます。
知立市・三河エリアで土地売却を検討している方にとって、地域の取引実態や需要動向を把握している相談先を選ぶことが重要です。
土地の価格は立地条件や周辺の開発状況によって大きく変わるため、エリアに精通した業者に相談することで、具体的な売却プランを描けます。
まだ売却するかどうかを決めていない段階でも、相談は可能です。
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