ビルの解体は戸建て住宅と比べ、建物の構造が複雑で規模も大きいため、周辺環境への配慮や高度な技術力が求められます。
そのため
といった不安を抱える方がいらっしゃいます。
ビル解体特有のトラブルやリスク管理への対応が甘いと、工期の遅延や賠償問題、その後の土地活用にまで影響することがあるので、不安を解消することは大切です。
そこでこの記事では、ビルの解体工事でよくあるトラブルと失敗しないための対策を解説します。

ビルの解体には、建物の高さや構造、周辺の道路状況に合わせた最適な工法を選ぶことが大切です。
まずは基本となる工法と全体像を把握しましょう。
高層ビルや敷地が極端に狭い都心部の現場では、階上解体と地上解体の2つを使い分けます。
階上解体は、巨大なクレーンで解体用の重機をビルの屋上へ吊り上げ、上階から下の階へ順番に壊していく工法です。
この工法のメリットは、地上に重機を配置するスペースがなくても作業ができること、落下物の危険を抑えやすいこと、粉塵飛散を防ぎやすいことがあります。
しかし、重機の重さに耐えられるように建物内部を補強する必要があるため、事前の構造計算が欠かせません。
一方の地上解体は、地上から超ロングブームを搭載した大型重機で直接壊していく工法です。
効率が良く工期を短縮しやすいのが特徴ですが、交通量の多い場所では、重機の据え付けスペースの確保や、前面道路の交通規制などの調整が重要です。
ビルの解体工事を始める前にやるべきことはたくさんあります。
例えば、現地調査で構造・周辺状況・搬出経路を確認する、アスベストの事前調査や各種届出に加え、ライフラインの停止手続きやテナントの退去、ビル全体を防音パネルや養生シートで覆うなどです。
建物の解体が終わった後は、地下にある基礎杭や埋設物を撤去します。
ビルは戸建てと異なり、巨大な杭が地中深くまで打ち込まれていることが多いため、撤去作業の丁寧さがその後の土地活用に影響します。
最後に、地中に廃材が残っていないかを確認し、地面を整地して完了です。
ビルの解体工事を依頼する際、業者の許可・登録・資格を確認しないと、万一の事故や行政指導の際に、施主も責任を問われる場合があるので、業者の情報を確認することは大切です。
基本的なチェック事項は以下の通りです。
戸建て解体であれば、解体工事業登録のみで対応できることもありますが、ビルの解体工事では建設業許可(解体工事業)が必須です。
また現場を統括する資格者、特に解体工事施工技士は、解体計画の策定や安全管理、廃棄物の適正処理に関する知識を持った国家資格者なので、ビル解体には欠かせない存在です。
さらに近年の規制強化により、アスベストの事前調査を行う、建築物石綿含有建材調査者の配置も義務付けられています。
こうした資格を確認する際は、許可番号・有効期限・名義を写しで業者に提出してもらい、自治体や国の検索システムで照合するのが確実です。
解体工事業者の資格について詳しくは「解体工事の資格7選!三河地域で業者が持っているか確認したい許可と証明」をご覧ください。

ビルの解体は規模が大きいので、トラブルが発生すると、損害額や工期への影響も大きくなります。
ここでは、ビルの解体工事で多い、追加費用・隣接地・法令の3つのトラブルと対処法に注目します。
施主が直面するトラブルの一つは、地中障害物による追加請求です。
ビルの地下には、過去の建て替え時に残された古い基礎や浄化槽などが埋まっていることがあり、工事開始後に見つかると、追加請求が発生しやすくなります。
これを防ぐためには、竣工図・改修履歴・地盤調査・杭の施工記録などの資料を見積もり前に集めたり、レーダー探査や部分的な試掘を行うことが効果的です。
また、見積もり書に、地中障害物の扱いを明記することも大切です。
どこまでの作業が見積もりの範囲かを明確にしたり、発見時の単価を入れることができます。
三河地域の駅周辺や商業地では、隣のビルと壁が数センチしか離れていない現場が多くあります。
こうした状況で、重機による解体を行うと、隣接ビルの外壁が損傷したり、ビルが倒壊する事故に繋がる可能性があります。
そこで重機を入れる前に、隣接している外壁部分を手作業で切り離し、距離を確保します。
また、解体が進むにつれて自立が不安定になる壁面には、構造計算に基づいた鉄骨の支えを設置し、強風や振動でも倒れないようにします。
さらに、着工前には家屋調査を行い、隣接ビルの現状を写真で記録することで、万が一損傷の疑いが出た際も、トラブルを最小限に抑えられます。
ビルの解体は騒音・振動・粉塵が避けられず、周辺が店舗や商業施設だと売上や来店動線に影響するため、クレームが発生しやすくなります。
その対策として、騒音を外に漏らさないために、通常の防音シートよりも厚手で遮音性の高い防音パネルでビル全体を包み込みます。
また、粉塵対策として徹底した散水も重要です。
重機の先端から常に水が出る仕組みや、高所から霧状の水を噴霧する設備を使い、ホコリを地上に落とします。
さらに、工事の進捗に合わせて「来週は特に音が大きくなる」といった情報を事前に店舗へ伝えて回るなど、コミュニケーションを取りながら情報共有をすることで、クレームを防げます。
大気汚染防止法の改正により、ビル解体でのアスベスト対策は、努力目標から義務へと変わりました。
現在、一定規模以上のビル解体では、アスベストの有無に関わらず、有資格者による事前調査の結果を報告することが義務付けられています。
特に古いビルでは、吹付け材だけでなく、成形板・保温材・接着剤など、様々な箇所に含有の可能性があります。
もしアスベストが含まれていた場合、密閉養生や負圧機を使用した専門的な除去工事が必要となるため、見積もりでは、調査費・分析費・除去費・廃棄費がどこまで含まれるかを確認し、発見時の対応も決めておくと安心です。

ビル解体は、数百万円から数千万円単位の費用が発生し、近隣・行政・安全の利害関係者も多いため、業者選びが重要です。
ここでは見極めの基準として実績・技術力・対応力の3つを解説します。
ビル解体を依頼する際、過去に同規模の物件をどれだけ手掛けてきたかの実績を確認してください。
戸建て解体とビル解体では、重機の扱いも安全管理のレベルも異なるからです。
実績のある業者は、構造特有の壊しにくさや周辺環境への影響をあらかじめ予測できるため、見積もりの精度が高く、工期遅延のリスクも低くなります。
また、安全管理体制がしっかりしていることも重要です。
例えば、現場に掲示される安全掲示板が適切に運用されているか、毎朝のKY活動(危険予知活動)を行っているか、誰が責任者で、どれくらいの頻度で現場を巡回・是正をしているかなどです。
こうした取り組みは施工計画書の中に明記されているので、しっかりと確認し、不安や懸念をなくすようにしましょう。
住宅密集地や狭小地では、重機の旋回半径や搬出車両の待機場所、粉塵の飛散・振動など、制約が一気に増えます。
ここで重要なのは、現場に合わせた小型重機の選定や養生の強化、搬出の分割計画を組める技術力です。
例えば、重機が使えない箇所を職人の手で解体したり、騒音・振動を抑える圧砕工法にするなど、現場に合わせた工法を提案・実行できるかを確認します。
安全面でも、狭い道路でクレーン作業を行う際、交通整理員の配置計画や近隣車両への配慮が適切に行われているかを確認することもできます。
信頼できる業者は、着工前の近隣挨拶を形式的なものにせず、相手の立場に立った説明を行うでしょう。
例えば、作業時間や騒音が大きい日のスケジュール、粉塵対策、緊急連絡先や交通誘導の内容を具体的に伝えます。
また、苦情が発生した際に、現場監督が即座に誠実な対応を取れるかどうかも、大きなトラブルに発展させないためのポイントです。
施主も近隣挨拶時に使用する資料を確認し、配布範囲と実施記録を残してもらうように業者へ依頼することで安心感をあげられます。

ビルの解体技術は日々進化しています。最新の工法を知ることで、安全・迅速・最適な工事を選択することができます。
ここでは、ビル解体現場で採用されている技術をご紹介します。
ビル解体では、同じ建物でも重機とアタッチメントの選定で、作業効率とリスクが大きく変わります。
例えばRC造では、圧砕機でコンクリートを砕きながら鉄筋を分別できるため、ブレーカー(大型ハンマーのようなアタッチメント)より振動・騒音を抑えやすい傾向があります。
また、建物の高層階を地上から壊すためのロングブームを搭載した大型重機を使えば、クレーンで屋上に重機を揚げる手間を省きつつ、安全な距離から解体を進めることができます。
一方で、ビル内部の狭い空間や地下部分では、小回りの利くミニショベルや、コンクリートを静かに砕くクラッシャーが活躍します。
超高層ビルの解体で、近年注目を集めているのが「だるま落とし」とも呼ばれる、カットアンドダウン工法です。
これは、ビルの1階部分をジャッキで支えながら壊し、少しずつ建物を下げていく、だるま落としのような工法を指します。
メリットは、ビル外装を防音・防塵パネルの代わりにできるので、粉塵飛散や騒音抑制などを抑えられることです。
また、地上付近で一定の作業を繰り返す高効率な解体による短工期化、高所作業の大幅削減による安全性向上も大きな特長です。

5階建て程度のビルであれば、テナント退去後のアスベスト調査やライフラインの遮断に約2週間〜1か月、行政への解体届出に約1〜2週間必要です。
これに準備期間を合わせると、退去から着工まで最短でも1か月〜1.5か月は見込んでおく必要があります。
余裕を持ったスケジュールを組むためには、「解体工事の流れとは?着工前から完了後の手続きまでを完全ガイド」を参考に、全体の流れを逆算して計画することをお勧めします。
可能な場合もありますが、道路幅・電線・歩道・交通規制の条件次第で、大型重機が入れない現場もあります。
また、大型重機を直接入れるのではなく、小型重機への積み替えや、ガードマンを配置した綿密な交通誘導計画が必要になります。
この記事では、ビルの解体工事でよくあるトラブルと失敗しない対策を解説しました。最後にポイントをおさらいしましょう。
株式会社藤原建設では、知立市・刈谷市を中心とした三河地域で、ビルの構造や周辺環境に合わせた解体をご提案しています。
複雑な案件や難易度の高い現場でこそ、私たちの専門知識と最新の技術力が真価を発揮します。
「解体後の土地活用を成功させたい」「近隣トラブルを絶対に避けたい」とお考えのビルオーナー様は、ぜひ一度、藤原建設までお気軽にご相談ください。